第33回すくすくスクラムで登壇しました #suc3rum

2012年7月25日に株式会社 VOYAGE GROUPで開催された、第33回すくすくスクラム「アジャイルすいすい〜(開発者篇)」にコーディネーターとして登壇しました。

アジャイル開発を実際の現場で推進する方法や定着方法についてお話しました。
日々、開発現場をより良くしようと考えている開発者向けの内容になりました。
そのため、契約や経営者向けの内容は、お話しませんでした。

はじめて、1時間50分の長いセッションをいただいた為、気合いを入れすぎました。
なんと、資料が132枚。
参加者へ一つでも多くの種(ノウハウ)を持ち帰っていただきたい、その一心でまとめた結果がその枚数です。あらかじめ、その話を冒頭で説明したところ、参加者は「大杉やろう(笑)、終わらんだろう…」と言ってました。

参加者の反応を見ながら、緩急をつけた発表やワークショップを心掛けました。
ご理解とご協力をして下さった参加者の皆様に感謝しております。
おかげさまで、予定の時間内に終了することが出来ました。
一部駆け足になったところもあり、すみません。

以下は、画像の著作権による問題を回避するため、画像を削除した公開資料です。
画像が消えると、感情が伝わらなくなるところもありますが、ご了承ください。
(次回からは、気をつけます)

導入の目的

最近、アジャイル開発が人気です。
しかし、アジャイル開発を実施することが目的ではありません。
よくあるケースとして、他社がアジャイル開発をやっているから、うちの会社もやらないと生き残れなくなるのではないかと焦るパターンがあります。その場合、アジャイル開発を導入することがゴールになり、その後の活動が継続されずに失敗するリスクが高くなります。

本質的な目的は、効率よくカイゼンして今までよりもお客様に価値を提供することです。
アジャイルにやることが目的ではなく、手段にすぎません。

開発現場で大切なこと

開発現場は、様々です。
自分達にあったものを取り入れ、カイゼンしていくことが大切です。
そのカイゼンをするには、ふりかえりが重要です。

ふりかえりのアンチパターンやふりかえり手法を紹介しました。
参加者は、あるあるとうなずいたり、こんなふりかえりもあるのかと新しい気づきを発見してくれました。

さいごに

会場提供してくださった、株式会社 VOYAGE GROUP様、ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
次回は、9月開催予定です。お楽しみに。

全員スクラムマスター。に参加してきた #devlove

DevLOVE主催の「全員スクラムマスター。」に参加してきました。
今回の登壇者は、CSM(認定スクラムマスター)の同期である、株式会社エムティーアイの岩崎さん(@niwa303)と最近懇親を深めさせて頂いている、楽天株式会社の及部さん(@TAKAKING22)でした。

お二人とも、非常に優秀で、現場で大変活躍されているお話を聞いていましたので、とても楽しみに参加させていただきました。

【つぶやきのまとめ】

【他の参加者のブログまとめ】

Sprint1:事例発表: エムティーアイアジャイル開発

MTIさんは、CSM/CSPOの取得者70名以上、スクラムチーム50個以上のトップダウンアジャイルを推進している会社です。
発表者の岩崎さんからは、4チームのスクラムマスターとして活動した経験について発表をしていただきました。

MTI岩崎さん流SM(スクラムマスター)
  • オフショア開発時に、やったこと
    • 会話が途切れる問題があった時、
      • ゆっくり、はっきり、短い言葉で会話するようにした。
    • わかってなさそうだけど「はい、分かりました」と言われる時、
      • 説明してもらうようにした。
    • 日本と中国で場所が離れている分、気を使って話してしまう時、
      • 実際に会って、同じチームという意識をもつようにした。
  • わかったこと
    • 一歩引いてみて、巻き込まれないようにすること。
    • チームに指示をしないで、一緒に考えること。
    • 全体や状況を見失わないようにするため、いっぱいいっぱいにしないこと。(←一番のポイント)
  • 大物アジャイルコーチ(西村さん @nawoto)からの言葉
    • 「メリハリ大事!」

Sprint2:事例発表: 楽天スクラム - 問題と対策 -

及部さんの発表資料は、以下で公開されています。

ダイアログ

各Sprint毎にダイアログ(各テーブルでテーマを決めて、話し合うこと)を実施しました。
私のテーブルには、現場でスクラムマスターをやっていない方、スクラムで開発できていない方もおりました。
そのため、スクラムで推進するための方法やチームビルディングの話を共有しました。

あと、MTIの岩崎さんが私のテーブルに来ていただき、実際の現場について共有していただきました。
4チームをまわすために、工夫していることを話してくれました。

  • 全体を見るために、コードを書かない。仕様を把握することよりも、チームの話の論点が合っているかを意識している。
  • 時間は、限られているから、タイムボックスを意識して、一人3分以内に短く、話をまとめてもらう。
  • 時には、嫌われることもあるが、POとTMにSMがいてくれて、良かったと言われるようにプロセスを改善している。
  • なんでこういうことをやるのか?を考えさせる。(すると、やらなくてよいこともやろうとしていたことに気づくことがある)
  • 常に、アンテナを立てて、察してあげることが大切!

まとめ

スクラムマスターは、鳥の目になって全体像を把握することが大切だと感じました。
鳥瞰図という言葉もありますが、鳥の目になって見ることで、全体像を把握することができます。
全体の状況がどうなっているのか、道がどこにあるのかを把握することは、迷子にならないために不可欠でしょう。

最後に

たくさんのスクラムマスターが集合して、面白い会となりました。
また、一部、スクラムマスターでない方もおりましたが、違った視点で考えさせられるところもあり、面白かったです。
いつか、少人数で実際の現場でスクラムマスターをしている方のみを集めて、改善していることを情報交換したいですね。とても面白い会になると思いますー♪

発表者の岩崎さん、及部さん、DevLOVEスタッフの皆様、会場を提供してくださったMTI様、参加者の皆様、ありがとうございました。

DevLOVE ストーリーテリングワークショップに参加してきた #devlove #uxtokyo

DevLOVE ストーリーテリングワークショップ
DevLOVEストーリーテリングワークショップつぶやきまとめ #devlove #uxtokyo

参加のきっかけ

UX(ユーザエクスペリエンス)系の勉強会は、これが初参加でした。
現在、UX向上にむけたアジャイルスクラム開発を実施しており、色々と試行錯誤していました。
そんな中、以下のツィートを拝見して、参加することを決意しました。

事前課題

今回の勉強会は、以下の事前課題がありました。
・事前課題1:ストーリーテリング本を読んでくる。

・事前課題2:フォトエッセイを作成してくる。

以下のKA法を参考にフォトエッセイを作成しました。
安藤研究室ノート:ゼミワークショップKA法

フォトエッセイとは、テーマに沿って深く内省し、写真とエッセイを組み合わせることによってユーザーの潜在的ニーズを明らかにする手法です。
フォトエッセイをユーザー調査時に実施し、インタビューの材料として利用します。
こうすることで、インタビューが得意でない人でも、ユーザーから深いレベルの意識を把握することができ、ユーザーの本質的価値を見出すことができます。

今回は、2つのテーマが用意されており、どちらか1つのテーマを選択しました。

テーマA:「本をオススメする」

  • 自分目線でオススメする本一冊の写真
  • それを管理している書棚・端末の全体像写真
  • 自分なりのタイトル
  • エッセイ

テーマB:「旅の思い出」

  • 今までで一番思い出に残っている旅行先関連の写真
  • それを保存しているアルバム・サービス・端末の全体像写真
  • 自分なりのタイトル
  • エッセイ

私は、テーマBを選択しました。

ワークショップ内容

当日は、以下の内容でストーリーテリングのワークショップが開催されました。

  • リアリーリスニング
  • ストーリーを作る
  • 英雄構造プロット
  • ユーザーストーリーマッピング/ストーリーボーディング/ワイヤーフレーム作成
  • エレベーターピッチ/プレゼンテーション
  • 振り返り/クロージング

リアリーリスニング

はじめに、UX Tokyoの前田さん(@t_maeda)からストーリーテリングについてご紹介をいただきました。

ご説明の中の一部抜粋です。

UXにより、”テンションの上がる”Webフォームを作れること。
ストーリーを使うと、人の情動を見越しながら作っていくことができる。

ストーリーの最大のメリットは、「体験を伝える力」にあります。
良いストーリーとは、こういう状況にいるから、この人はテンションが上がるんだとすぐにイメージできるものです。

ストーリーを集める

次に、UX Tokyoの酒井さん(@yhsk)からストーリーを集めることについてご紹介をいただきました。

HCDプロセスにおける「ストーリーを集める」とは?

  • ストーリーを集めることは人々・文脈・目的の理解に役立ちます。
  • 要求定義の第一歩はテーマとパターンを発見することです。
  • デザインは「世界を変える新しい何か」をストーリーとして語ります。
  • ストーリーから生み出されたものが人々に役立つのかを試みる方法がユーザビリティ評価です。

ストーリーを集めるのは、その人が体験してきたことをイメージして理解することです。
そのため、ユーザーリサーチャーは、人の話をよく聞き、観察することが大事だと思います。
なぜ、人の話をよく聞いただけではダメなんでしょうか。
それは、当たり前と思っていることや無意識のこと(暗黙知)は話さない人が多いからだと思います。
そこで、ストーリーを集めるわかりやすい例として、是枝裕和監督作品映画の”ワンダフルライフ”をご紹介いただきました。

ワンダフルライフ [DVD]

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感情や感覚では、チャリンチャリンなどの音感を伝えるのも五感を得るのに必要です。
特に、イメージしやすいことが重要です。

半構造化インタビューのポイント

半構造化インタビューとは、ストーリーを集める際の効率的なインタビュー手法です。
具体的には、以下の4つのポイントがあります。

1.あなたが話したい活動についての話題を築くクローズドクエスチョンから始める
→「○○」をしたことがありますか?

2.テーマについてのイメージを得るオープンクエスチョンを始める
→「○○」はどのようにしますか?
→「なぜ○○しようと思ったのですか?」
→「(場所)でいつもすることを教えてください」

3.テーマの中でも特定の事柄について考えてもらう質問をする
→最近「○○」したのはいつですか?

4.得られた特定の事柄について繰り返し質問をして深堀りする
→「○○」したときのことについて教えて下さい

アクティブ・リスニングのポイント

アクティブ・リスニングとは、人の話を否定せず受容的、積極的に話に耳を傾けて聞く態度技法です。

上記のアクティブ・リスニングの中で、一番重要なことは、黙っていることです。
考え中により、黙っている可能性があるため、じっと目を見て耳を傾けることが大切です。
沈黙に耐えられない人は、精進が必要ですね。

あと、目は口ほどにものを言うといいます。
話を聞いているとき、目線をそらしていると、聞く気がないのだなと相手は感じてしまいます。
目線は相手の目の下あたりに置いておくのがよいといわれています。
目を直接見すぎると、にらみつけているように感じられるからです。
鼻のあたりか、男性の場合はネクタイあたりが目線の位置としてはいいようです。

リアリーリスニングワークショップ

各テーブルに4〜5名で席に座り、グループを作りました。
そして、2人1組または3人1組になり、それぞれが交代で課題のフォトエッセイを基に
「リスナー(聞く人)」、「ストーリーテラー(語る人)」を体験しました。
グループ内でヒアリングした内容を共有して、際立ったものを一つ選びました。
我々のグループでは、facebookのような写真を撮って、シェアするストーリーを選択しました。

リアリーリスニングワークショップを進める上で、UX Tokyoさんから
以下のフレームワークをいただき、コンテクストを意識しながらヒアリングすることができました。
コンテクストとは、5W1Hであり、誰が/いつ/どこで/何を/なぜ/どのようにを表したものです。
とてもやりやすかったので、大変感謝しております。

英雄構造プロットの作成

次に、UX Tokyoの脇坂さん(@wackiesrock)からストーリーを作ることについてご紹介をいただきました。


英雄構造のプロットテンプレート

ストーリーのパタンの一つに、英雄構造があります。
英雄構造は、上図の通り、サイクルになっています。
ストーリーの終着点は、次のストーリーへの出発点となります。

アネクドートとは、ストーリーの断片のことで個人的な体験を表す出来事です。
目的の達成でのアイディア作成以外は、グループ内で検討して作成しました。


我々チームの英雄構造のプロット作成


他チームAの英雄構造のプロット作成


他チームBの英雄構造のプロット作成

ユーザーストーリーマッピング/ストーリーボーディング/ワイヤーフレーム作成


ユーザーストーリーマッピング/ストーリーボーディング/ワイヤーフレームのテンプレート

ユーザーストーリーを作成して、ユーザーストーリーマッピングを実施しました。
ユーザーストーリーマッピングを作ったことがあるのは、少人数でした。
ユーザーストーリーマッピングの説明は、川口さんの説明資料が詳しいので、こちらをご参照ください。

海外では、ストーリーボーディングやスケッチボードのことをスケッチボーディングというそうです。


我々チームのユーザーストーリーマッピング/ストーリーボーディング/ワイヤーフレーム


他チームAのユーザーストーリーマッピング/ストーリーボーディング/ワイヤーフレーム


他チームBのユーザーストーリーマッピング/ストーリーボーディング/ワイヤーフレーム

エレベーターピッチ/プレゼンテーション

以下のポイントで、社長さんにエレベータピッチを実施しました。
・アテンション&インパク
 誰が何を困っているのか
・ソリューション
 どのような解決策なのか
・メリット
 何が優れているのか
コンクルージョン&コネクション
 結論と詳細説明の機会獲得


プレゼンテーション風景

まとめ

今回のワークショップで感じたのは、絵心が足りないことでした。
特にストーリーボーディングを作る時に感じました。
しかし、そんな絵心のないエンジニアでも、諦めてはいけません。
以下の本を参考にして訓練すると、ストーリーボーディングは、描けるようになります。
(個人差は、あるかもしれませんが…)

また、絵のセンスを磨く以外に、ストーリーも同様に語れば語るほど良くなります。
何事も練習が重要です。
例えば、スポーツのプロ選手は、練習をしないで本番の試合には出れませんよね。
これから、練習計画を立てて、一歩ずつプロに近づけるように取り組んでいきたいと思います。

最後に、講師のUX Tokyoの前田さん、酒井さん、脇坂さん、スタッフの皆様、会場を提供してくださった株式会社VOYAGE GROUP様、参加者の皆様、ありがとうございました。